第144話

夜中2時のご飯。



叶斗の膝の間で縮こまり、口に運ばれるご飯を食す。



「もっと食うか?」



「…うん」



ニギニギと、叶斗の左手を握る。



「どうした?」



「あのね、眼球…取ってもいい?」



「…」



叶斗の食事の手が止まった。



「ほとんど見えないし、火傷跡もあって…多分これからは眼帯して生活すると思う。だから、取ってもいいかなって」



「…千花がいいなら取ってもいいぜ」



「本当?」



顔を覗くとあまり納得はしてないみたいだった。



「俺は、そのままの千花が好きだけどな」



何を思ってるのか、辛そうな顔で言われた。



「叶、斗?」



「千花が決めたことなら俺は何も言わねぇよ」



左目に優しく触れ、抱きしめられた。



「……護ってやれなくてごめんな」



今にも泣きそうな声で言われた。



「叶斗のせいじゃないから大丈夫だよ」



抱き締め返して、叶斗にキスをした。

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