第112話
* * *
「…ぁう!?」
壁にぶつけられ、必然的に声が出る。
目の前が霞み、意識が朦朧とする。
「んだよその目」
「…ッ……うぅ」
今日はダメな日だった…。
ドガッ…と音がするな、なんて他人事のように思っていた。
すると、パシーン!と目が覚めるほどの平手打ちをされた。
「なぁ…俺を怒らせんなよ」
そんなこと言われても、私が逃げようとすれば捕まえるじゃん。
「足だせ」
壮の命令通り足を出すしかなかったが、身体が動かない。
「手間のかかるやつだな」
飛ばされて壁にもたれかかっている私に近づき足を強引に引っ張られる。
「動けねぇようにしてやるよ」
やめて、と言いたいところだが、壮に何を言ってもダメだろう。
壮の手にあるバーナーで左足が焼かれている。
自分の足だと言うのに、他人の足なのでは…と思う。
熱いと叫ぶ気力さえない。
「後で処置してやるからナァ」
壮は笑っている。
本当に私を虐めるのが好きなんだね…。
私を道具としか思っていないのか聞こうと口を開いたが、すぐ閉じる。
………やっぱり、壮から離れられないんだ。
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