第130話

「ぁぁあああぁッ!!」



バキッバキッ…と寝室の扉が壊れ、私は横たわる。



吹っ飛ばされたのは確かだった。



だけど飛ばされたはずなのに、何故かお腹に痛みがあった。



それは、叶斗が蹴ったんだと理解するのに時間がかからなかった。



蹴られた…の?叶斗が、私を…蹴った、の?



なんで…なんで……。



上半身をゆっくり起こす。



ポタ…と手の甲に血が垂れる。



恐い…叶斗が恐い………。



音で叶斗が私の方へ向かってきているのがわかった。



「なァ千花、顔上げろ」

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