第222話 効果の有無。

―――ジュウザブロウ


 オレの攻撃はキレイにキマった。全力の一撃では無いものの、多少はダメージを与えただろう。距離を取り、スペランツァの様子を確認した。しかし、一切変わらぬ雰囲気だった。


【効いてない……のか……!?】


 防御力が異常に高いのか。ただ単に無表情だからなのか。効果があるのか無いのか。今は理解できなかった。ならば、効果があるとわかるまで叩き続けるのみだ。

 床を蹴り、スペランツァの周りを動き回る。病み上がりだが、体は軽い。リハビリには丁度いい。スペランツァはオレに向かって腕を振り下ろす。スペランツァの腕が床を叩く頃には、オレは背後にいた。


【これなら……どうだッッ!!】


 今度は少し強めに拳を振った。手応えはある。スペランツァは振り返り、再び腕を振る。


【こりゃまいったな……】


 苦笑いしながら、スペランツァを見上げる。自分の力に自信が無くなってきた。しかし、行動しなくては、なにも状況は変わらない。なにか突破口が見つかるかもしれない。オレはとにかく攻撃を続けてみることにした。

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