第269話 少女の予想。

『どうしたんだい?』

【ちょっと自信が無いんですけど……。トラオムに似ているって話を聞いてピンと来たんです。さっき遠くから見てたときに、ジンくんの攻撃を防御したときの盾ってウィンクルムのモノとよく似ているような気がしたんです。あとはイツキさんの大剣を再現させた左腕。あれはフトゥーロも同じことをしていました。きっとラヴは以前戦った”完成型”を混ぜ合わせたDemiseデミスなのではないでしょうか……?】


 オトハちゃんの予想にみんな驚いていた。続けてオトハちゃんは話した。


【もう1つ気になることがあってですね。以前の4体を倒したあと、デゼスプワールは砂状さじょうになったDemiseを回収していたんです。だから、今までのはあくまで私たちとの戦闘データの収集で、ラヴが本命なのかなと思いました】


 みんな黙っていた。


【あっ、あの、ごめんなさい……。突拍子とっぴょうしもないこと言ってしまって……】

【いや、オトハちゃん。あなたすごいわ】

『あぁ、もしかしたらその予想は俺たちを勝利に導くかもしれない』


 ようやく光が見えた。


【スペランツァの特性って言ったら超耐性ってやつか?】

【いや、それで言うとスペランツァは打撃のみに超耐性を持っていたから違う気がする】

【攻撃が効く人と効かない人の差……。戦闘組かサポート組ですかね……?】

【それだとハルヒの攻撃が効かなくて、エンジの攻撃だけ効くっちゅーのがわからへんな】

『そうだ。ハルヒはウィンクルムの戦闘中に1発攻撃を当てている。そうだよな?』

【確かに撃ったっスね……】

『だよな。攻撃が効くか効かないかは、4体の”完成型”に攻撃をしたかしてないか、じゃないのか?』

【それなら納得できるな】

【過去に攻撃をしてきたヤツの攻撃は効かない……ってことは、ダメージが与えられそうなのはやっぱりエンジだけか?】

【私もカイユウくんもはそういう武器みたいなのはないですね……】

【よし、それじゃあエンジの攻撃を当てられるようにラヴの動きを止めることを最優先にやるか】


 これがダメだったら、本当に終わりかもしれない。


 とにかく、やるしかないんだ。

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