第306話 怪しい人影。

 冷凍庫に眠っていた冷凍食品を見つけた俺は、すぐさま皿に盛り付けると電子レンジへ放り込んだ。約8分程度で美味しいご飯の出来上がりだ。


『ふぅ……。食った食った……』


 あっという間に平らげ、一人の夜の時間を過ごす。


『明日から、また学校か……。2限があるけど、午前中は休んじゃおうかな』


 ダメ学生のお手本を演じながら明日の準備をする。


 気がつけばもう24時前だ。


『ちょっと早いけど、ゴミ捨てにでも行っておくか』


 部屋にあるゴミを集めて袋につめ、口を結んで外に出る。


 この時間はゴミ捨て場にあまり人がいないのだが、珍しく人がいた。


『こんばんはー』

【こんばんは】


 軽く会釈えしゃくしながらすれ違う。ゴミを置き、振り返ると、そこには先程すれ違った人がオートロックの前でうろちょろしていた。


『……ど、どうしました?』


 俺は恐る恐る声をかけてみた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る