第232話 よだれ。
8月191日……
『……はっ!』
目覚めると昼前だった。口の端を伝うよだれを拭う。案の定、枕にもよだれが垂れていた。枕カバーを洗濯機へと放り込み、冷蔵庫から紙パックの麦茶を取り出す。コップになみなみと注がれた麦茶を器用に飲みきると、テレビを点けた。いつもと変わらない番組が映っている。これから1週間はまた暑い日々が続くらしい。ふとカレンダーに目を向ける。
『あと9日か……』
このおかしな8月にすっかり慣れてしまった。8月が終わるとき、俺はどんな顔をしているのだろうか。何をしたらよいのかわからず、時間は過ぎていった。気がつけば、外は暗くなっていた。俺はなんとなく、外に出てみることにした。
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