第231話 何時かぶりの家。

【みなさんおかえりなさい!】


 ベースに戻るとミチヤが出迎えてくれた。


『ミチヤ、留守番ありがとう』

【こっちはなんとか勝つことができたよ】


 それぞれ、武器を所定の位置へと戻す。これまでの話をかいつまんでミチヤに伝えた。


【10日後ですか……】

【しかも最終決戦やって】

『なんだか実感が湧かないですよね』

【まぁ、なにをしても時間は進んでいく。10日後は必ずやり合わなくてはならない】

【武器は僕がバッチリメンテナンスしておきますから、安心してください!】

【お願いするわ、ミチヤくん】

【そういえば、時間はどうなってる?】

【正常に動き出してます!】

【ありがとう、エンジ。よし……。それじゃ、今日はもう解散とする。10日後の8月200日に合わせて各自調整してくれ】

『お疲れ様です』

【おつかれさん】


 各々、家路についた。


【ヒカルくん、お疲れ様】

『アスカもお疲れ様』

【ようやく戦いも終わるのね……】

『いつまでも続くものかと思ってたよ。次で終わり、って言われると、なんか不思議な気持ちになるな』

【ふふっ、ちょっとわかるかも】

『残りは”ラヴ”だっけか』

【特徴がイマイチ無い、普通の人型っぽいDemiseデミスよね】

『あぁいうやつが一番厄介だったりするもんなんだよ』

【そうなのかしら?】

『あぁ。ゲームの中ではね』


 アスカと話している間に家へと着いた。


『それじゃ』

【うん、おやすみなさい】


 家に入り、レイヤー0へと戻る。


 家に帰るのは久しぶりな感覚だ。きっと数時間しか経っていないのだろうが、何日も経っているような感じがする。いつもと変わらぬベッドに飛び込むと、全身の力がベッドに吸い取られるようだった。俺は抗うこともせず、身を委ねた。目の前がゆっくりと暗くなり、意識は遠のいていった。

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