第233話 語らい。

 駅前着いた。時刻は夜20時を過ぎていた。晩飯時のピークではないが、まだまだ人が多くいる。


『そうか、8月だし学生は夏休みなんだよな。……って、俺もか』


 自動販売機でペットボトルの緑茶を買い、のどを潤しながら、フラフラと歩いた。


 …


『おっ、ジン!』

【ヒカルさん、こんばんは】


 ジンを発見した。


『どうした? こんな時間に』

【食後の運動ってやつですね。ヒカルさんこそ、どうしたんですか?】

『俺は……ちょっとフラっとね』


 俺は特に目的もなく歩いていた。


『そうだ、レンとはどうだ? 心配させたりしてないだろうな』

【はい、問題ないですよ。ヒカルさんと会ったとかって言うと、すごく安心した顔してます】

『ははっ、そいつはよかった』


 立ち止まったまま、しばし雑談をしていた。


『ジン、8月200日……どうだ?』

【どうだ……って言われましても……。僕にとってはいつもと変わらないです。目の前の敵を倒す。ただそれだけです】

『そうか……。頼りにしてるよ』

【僕もヒカルさんを頼りにしてますよ。兄さんが心配するんで、そろそろ帰りますね】

『あぁ、引き止めてしまってすまない』


 軽く手を振り、ジンの背中を見送った。

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