第299話 上へ、上へ。

『行くぞ!』


 俺の掛け声に2人がうなずいた。レイヤー3へはすぐに移動できた。


―――レイヤー3

『初めて来たな……』

【僕もです】

【オレはこっそり遊びに来たらザブロウにバレてこっぴどく怒られたわ】

『ふふっ……。グレンらしいな』

〈3人とも、雑談してる暇はあまりないのですよ〉

『あぁ、悪い。さっさと終わらせに行こう』


 粒子集中りゅうししゅうちゅう……。


―――レイヤー4

【なんだか、息苦しい感じがしますね……】

『確かにそうだな』

【準備できたら次に行くぞ】

『あぁ、わかってる』


 深呼吸をし、気持ちを整える。


【行きましょう】


―――レイヤー5

『ふぅ……』

【体が重い感じがするな】

【そうですね。でも、まだ行けます】

『ジン、無理はするなよ?』

【今日は無理をさせてください。2人だって、無理するつもりでしょう?】

【バレてんな】


 2人とも、まだ余裕そうだ。


〈ここまで順調ですね、3人とも。レイヤー6からはまた一段と負荷が強まりますので、気をつけて〉

【マジかよ】

『ティア、ありがとう。よし、行くか』


―――レイヤー6

 レイヤー6についた途端、ジンが倒れた。


『おい、ジン!』

【ジン、大丈夫か?】

【すみません、大丈夫です。レイヤー移動時にちょっとふらついただけなので……】


 ジンは服を軽く払い立ち上がった。


【また世界が崩れる音がしていますね……。早く行きましょう】

『あぁ、行こう』


 俺たちは更に上を目指していった。

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