第209話 念には念を。

 みんなは静かに時間を過ごしていた。時刻は残り10分を切っていた。スポーツドリンクを飲み干し、改めてストレッチを行う。


 受験前日に参考書を読み込むような。

 何回も確認したレポートの誤字脱字を再度探すような。

 遠足の荷物をカバンから全部出して、しおりを確認しながら入れ直すような。

 念には念を入れておく感覚。


 ミチヤに見送れられながら、駅前の広場へと集まる。時計の針が24時を指した。目の前に2体のDemiseデミスが現れた。

 球体状の頭部に巨大な猫の目が特徴的な”トラオム”と、長髪のようなものが生えている”ウィンクルム”。


【予定通り2体だ。A班はトラオムを。B班はウィンクルムだ!】


 全員が予定していた通りに動き出す。しかし、予定外のことが発生した。


 ジュウザブロウさんの姿が一瞬にして消えた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る