第208話 決戦の日。

 8月190日……


 今日はデゼスプワールが言っていた決戦の日だ。相手は今日も1体だけなのだろうか。フトゥーロとの戦いを見て、2体にする可能性もある。不安の種は尽きないが、とにかくやるしかない。両頬を叩き、レイヤースペースへと向かう。


 ベース付近にはあまり人はいなかったが、各々おのおの離れた場所で個人練習をしているらしい。実際にはほとんどのメンバーがいるようだ。俺もストレッチをして、軽く動いておくことにした。俺は以前グレンに教えてもらった草野球場へと足を伸ばした。そこには先客がいた。


『よう、グレン。この前はお疲れ様』

【おぉ、ヒカル。軽く手合わせでもしておくか】

『いいぜ。やろうか』


 挨拶もそこそこに、俺たちは手合わせを始めた。俺は自分が強くなったと思っていたが、みんなも強くなっていることに気がついた。グレンに勝てはしないが、負けもしない。以前のときのように、一方的な勝負にはなっていないことについては褒められるべきことだろう。30分程の手合わせを終えると、俺たちはベースへと戻った。そこには全員が集まり、時間が過ぎるのを待っていた。


【2人ともお疲れ様。帰ってきて早々で申し訳ないが、今日の話をさせてもらう】

『はい、大丈夫です』

【オレも問題ない】

【ありがとう。水分補給と汗は拭いておけ。みんなもリラックスしながら聞いてくれたらいい】


 ジュウザブロウさんの声に耳を傾けた。


【エンジとハルヒによると、今日は2体のDemiseデミスの気配があるようだ。ただ、誰が相手なのかは不明だ。だから、先にAとBの2つの班に分けることだけはしておいて、その場で担当する方をオレが指示する。ここまで大丈夫か?】


 全員がうなずいて応える。


【よし。それじゃあ分けるぞ。

 まずはA班だ。オレ、リオン、グレン、ジン、カイユウ、エンジの6名がA班。

 イツキ、アスカ、ヒカル、オトハ、ハルヒの5名がB班だ。

 ミチヤはベース付近で待機していてくれ。呼ばれていないやつはいないよな?】

【大丈夫やと思うで】

【そうね。問題ないと思うわ】

【ありがとう。それじゃ、24時まではあとわずかだが、それぞれ楽にしていてくれ】

『はい!』【はい!】


 一時的に解散となり、時間までは体を休ませることにした。思っていた通り、2体のDemiseだ。俺はB班。深呼吸をしながら、心を落ち着かせていた。

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