第275話 盲目の世界で。

 目の前が真っ白になった。


【うわぁっ!】

【ぐっ……!】

【がはっ!】


 みんなの声が聞こえる。


【やめろォォッ!】


 ジュウザブロウさんの叫び声だ。足音と戦っていると思われる音が響く。だんだんと目が見えるようになってきた。目の前には倒れた仲間がいた。リオンさん、ジン、そしてカイユウがそこにいた。


『みんな! 大丈夫か!?』


 急いで駆けつける。みんな息はしている。見たところ、大きな外傷はなさそうだ。おそらく打撃による衝撃で気を失っているだけだ。


【ヒカルさん……?】


 目が開ききっていないオトハちゃんがフラフラしながら近づいてきていた。


『オトハちゃん! とりあえずしゃがむんだ』

【は、はい!】


 オトハちゃんは目をこすりながら、なんとか目を開いた。


【……っ!?】

『みんな、大きな外傷はなさそうなんだ。すまないが、てやってくれ』

【……はい!】


 オトハちゃんにここを任せると、俺は顔を上げた。


【ぐわっ……!】

『ジュウザブロウさん!』


 ジュウザブロウさんが吹き飛ばされた。ラヴの顔が動く。こっちを見ているようだ。シャルを握りしめ、構える。


『……来い!』


 ラヴはこちらへ走り出した。

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