第274話 一斉攻撃。

 背中にダメージを負ったラヴはまだ動けないようだった。カイユウの一撃がかなり響いているみたいだ。

 戦闘組が一斉に攻撃を仕掛ける。ラヴの4本の腕を使わせるためだ。俺たちが壁になって見えないだろうが、後ろではエンジが狙いを定めている。デゼスプワールにも見えていないはずだ。

 俺たちに混ざって、カイユウも前に出てきている。俺たちの攻撃の合間にカイユウの攻撃を差し込む作戦だ。この作戦は上手く機能し、ラヴの左の脇腹を斬ることに成功した。

 それに反応して、ラヴはカイユウに狙いを定めた。ラヴが右腕を振り上げると、そこを抑えていたグレンが投げ飛ばされた。振り上げられた腕にエンジの銃撃が当たる。腕は千切ちぎれ、地面に落ちた。ラヴはうなる。

 それにひるまず、エンジはさらに攻撃を続けた。ラヴは”コア”には当てまいとしているのか、残った右腕を犠牲にしながら銃撃を防いだ。

 その間にカイユウがラヴのふところもぐり込み、腹部をナイフで刺した。ラヴは腕を振り回し、俺たちを力ずくで吹き飛ばした。

 ラヴは少し距離を取ると、2本の腕を前に出し、手を開いた。てのひらから、とがった水晶のような突起物が出てきた。


『あれは……』

【みんな目をつぶれ!!】

〈遅い〉


 ジュウザブロウさんの叫びと同時に、閃光が俺たちを襲った。

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