第53話 妙案。

 アスカとは別に怪しい関係じゃないんだけど、関係を語る上でDemiseデミスやレイヤースペースのことは避けて通れないし、また追求されたら面倒だな。頭を悩ませてる間に家の前に着いた。


【こんばんは。すっかり元気になったみたいね】


 偶然ごみ捨てに出ていたアスカと会った。


『おぉ!』


 驚いて変な声が出てしまった。


【どうしたの、変な声出して】


 フフッとアスカが笑った。


『いや、ちょうどアスカのことを考えていてさ……』

【わ、わ、わた……ワタシのことを!?】


 一気にアスカの顔が赤くなった。


『ち、ちがっ……。違わないんだけど、あの……その……。変なことを考えていたわけじゃ……』


 2人であたふたしていた。今日あったことを簡単にアスカに話した。


【あー、確かに2階だと、外から部屋のドアが見えるわね……】

『全然意識してなかったけど、そうなんだよな』

【部屋への出入りは気をつけなきゃね】

『また変な勘違いされても困るしなぁ……』

【うーん……】


 考えていたアスカが案を出した。


【人に見られないような時間にお邪魔するとか……。あっ! いいこと思いついた!】

『お、どんなだ?』

【ワタシの家に来ればいいのよ!】


 アスカは、ナイスアイディアと言わんばかりの顔をしていた。俺は驚いてき込んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る