第134話 戦いに向けて。

 エンジの話は続く。


Demiseデミスの襲来は変わらず8月164日。あと2日になります。全員、当日に備えて、体調管理はしっかりしてください。……ハルヒ、あとは何かあるっけ?】

【えーっと……。各Demiseの担当者とコアの場所かな?】

【あぁ、そうか。担当者については……。ジュウザブロウさん、いいですか?】

【わかった。2人ともありがとう。当日も言うが、担当を伝える。2体いるモノは、A、Bと呼称する。

 人型Aはオレ。人型Bはジン。異形型Aはイツキ。異形型Bはヒカル。既視型戦闘機はアスカ。既視型犬はグレン。

 以上だ。聞き逃したやつはいないか?】


 全員が顔を見合わせ、様子をうかがう。


【あれ、俺はどないすれば……?】


 確かにリオンさんの名前は呼ばれていなかった。


【リオンはベース付近で待機だ。何かあったら他の者のところへ応援に行ってもらう。判断はリオン自身か、エンジにしてもらう】

【俺はお留守番ってことやな。わかりました】

【他にはいないみたいだな。次は”コア”の場所を頼む】

【はい。オイラが話すよ。

 人型はどちらも頭部に。

 異形型Aは3本ある角のうち、左の角がコアです。

 異形型Bは尻尾。

 既視型戦闘機は2本ある尾翼の左側。

 既視型犬は鼻がコアです。

 以上ですが、大丈夫でしょうか?】


 全員がうなずいた。


【よーし。それじゃあ話は以上だ。エンジ、ハルヒ、ありがとう。みんなもそれぞれ自由にしていいぞ】


 みんなが動き出す中、俺だけが動けずにいた。


『……やらなきゃ……勝たなきゃ……』


 俺が自分に暗示をかけるようにつぶやいていると、肩に衝撃が走った。

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