第171話 書き置き。

【次の戦いの日付がわかるまでは安静にさせてもらうよ。さて、そろそろ家に帰ろうかな】

『是非そうしてください!』

【ジュウザブロウさん。心配して来てくれる人がいると思うので、書き置きでも残しておいたらどうです?】

【お、そうだな】


 紙とペンを取り、サラサラっと書き上げた。


【よーし、こんなもんだろう】


 紙にはこう書いてあった。


「ジュウザブロウ復活!

 激しい運動は禁止!

 帰宅します!」


【シンプルでえぇやん】

『確かにわかりやすい内容ですが……』

【これで大丈夫だろ。それじゃあ帰るか! リオン、イツキ。側にいてくれてありがとうな。ヒカルも来てくれてありがとう】

【別にお礼なんていいですよ。今まで散々世話になってますし、これくらいは当然ですよ】


 俺たちはベースを後にした。


 帰ってからはとりあえず体を休めた。ベッドで仰向けになり、目をつぶる。昨日の戦いを思い出していた。軽々と破壊される街。一撃で戦闘不能になる攻撃。予測できない動き。もう一度戦え、と言われたら、勝てるだろうか。明日からは、また鍛え直すことにしよう。そう誓った。

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