第187話 紹介。

【それじゃ、今からやりあおうってのか?】

〈焦るんじゃない。私は君たちのことを大体知っている。だから、今日は私たちの紹介をしようじゃないか〉

【これはご丁寧にありがとう】

〈君たちが私たちを分類していたことを知っている。それにならって分類すると、この5体は”完成型”と呼ばせてもらおう〉

【完成型だと……】

【随分と仰々ぎょうぎょうしい名前だな】

【強さのハードルが上がってんで?】

〈はっはっは。その期待には答えられると思うよ。さて、右側から順に名前を教えておこう。まずは”トラオム”〉


 ”トラオム”と呼ばれたDemiseデミスはお辞儀をしていた。球体の頭部に、巨大な猫のような目が1周分存在している。


〈続いて”ウィンクルム”〉


 ”トラオム”と同様にお辞儀をしている。全員が知性を持っているのだろうか。流石は”完成型”と言い放っただけはある。長髪のようなものが生えている。そのせいで、顔は完全に隠れている。


〈その隣が”ラヴ”〉


 特徴と言ったものが特にはない。頭部はのっぺらぼうにした人間のようだ。目の高さの位置に直径1mm程度の穴が一列に一周分無数に空いている。


〈端にいるのが”フトゥーロ”〉


 ラグビーボールのような楕円形だえんけいの頭部に大きな口がある。ギザギザの歯と大きな舌が隙間から見えた。


〈後列にいる、一際ひときわ大きいのが”スペランツァ”〉


 他のDemiseと比べると、明らかに大きい。3m〜4m程あるだろうか。頭部は面長で、顔のように横棒2本で目を、縦棒1本で鼻を、横棒1本で口を表すかのような模様がある。両肩にはゴツゴツとした突起がある。唯一、人型っぽくはないDemiseだ。


〈そして私は”デゼスプワール”。Demiseの創造主であり、”時”の支配者。そして、”終焉”を運ぶ者だ〉

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