第22話 運命の時間。

 駅前に行ってみる。外は、心なしか人が少ないように見えた。「8月が終わっちゃうね」という声が聞こえてくる。本当に今日が最終日なのだと念押しされているようだ。

 街の様子はいつもと変わらない。平和そのもの。家族、カップル、イヤホンをしながら歩く人、ジョギングしている人、小競り合いしている人。たくさんの種類の人たちがいる。

 そして、その中にいるのがショーマとレンだ。本当に変わらない。あっちも俺に気づいたようだ。合流し、話をする。ショーマは、朝からレンのグルメ調査に付き合っていたそうだ。


「食べる人が多い方が調査がはかどるからね♪」


 上機嫌のレンの横には、お腹をパンパンにさせたショーマがいた。8月の最終日も3人で過ごした。楽しい時間だった。すぐに日は落ち、気がつけば暗くなっていた。


「また明日なー!」

「またねー!」


 また遊ぶ約束をして、俺たちは解散した。


 帰ってから風呂に入り、ベッドに座った。時間は23時。


『あと1時間か……』


 時間を確認したあと、テレビを点け、ぼーっと眺めていた。


 …


 気がつくともう24時まで5分を切っていた。


 ………あと3分………


 ……あと2分……


 …あと1分…


 …

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