第12話 揺れる視界。

『え……?』

「もうすぐで8月終わるじゃん? 8月の暑い日にラーメンを食べるという幸せが……」

『8月ってまだ1週間以上あるだろ?』

「なーに寝ぼけてんだ? 明後日の140日で8月は終わるでしょ」


 いきなりのことで理解できなかった。ショーマも別にふざけているようには見えなかった。


『だって、前にSONICソニックで150日までって教えてくれたろ!?』


 証拠を出すためにSONICを起動し、チャットログを遡る。そこには、こう書かれていた。


「8月140日までだよ」


『……!?』


 画面を覗き込むショーマはドヤ顔をしていた。俺の驚く表情を見ると、今度は心配そうな顔になった。


「お、おい、ヒカル。大丈夫か? 熱中症とかそういうやつか……?」


 めちゃくちゃ心配するショーマ。


『いや、大丈夫だ……。ラーメン大盛りにしたし、食いすぎたかな……ははっ……』


 もちろん大丈夫ではなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る