第66話 自給自足。

 8月143日……


 昨日は早めに寝たが、朝までぐっすりと眠れた。余程疲れが溜まっていたのだろう。起きると、やはり体に痛みが。しかし、以前と比べると、痛みは弱いように感じる。移動するのに苦しむことはなさそうだ。アスカにしてもらったように、自分でもマッサージを試みることにした。

 粒子集中りゅうししゅうちゅうをし、左足のふくらはぎを包み込む。足湯に入っているように、ぽかぽかとしてくる。2分ほどで一度様子を見てみると、症状がかなりマシになっていた。これぞ自給自足。

 残りの右足と、両腕にも簡単にマッサージを行った。体がだいぶ楽になったので、今日もレイヤー2へと行ってみることにしよう。



 駅前へ行ってみると、静かだった。


『今日は誰も来ていないみたいだな……』


 ベースへ行き、シャルを手に取り、軽く素振りしてみる。 何か音がする気がする。見上げると、なにかが落ちてきた。本能的に転がって、回避した。物凄い音を立てて、それは現れた。

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