第180話 靄。

 レイヤースペースに着いて、外に出る。


『こっちでは、レイヤー0の天候は関係ないんだな』


 雨は降っていなかった。かと言って晴れている訳ではない。今思えば、こっちに来て太陽を気にした覚えがない。1つ疑問を解消し、ベースへと歩いた。


 ベース付近にはエンジとハルヒ、イツキさんがいた。何やら集まって話をしているようだ。


『みんなお疲れ様! なにかあったんですか?』

【あ、ヒカルさん。こんにちは】

【あぁ、次の戦いなんだが、8月177日になるようなんだ】

『そうなんですか。8月177日……。それって、明後日じゃないですか!』


 早い。あまりにも早すぎる。ジュウザブロウさんの傷はまだ癒えないだろう。ジュウザブロウさんを抜いたメンバーで戦わなくてはならないのか……。


【早いッスよね……。オイラたちも驚いて、何度も確認したんですけど、間違いなさそうなんスよ】

『2日前ってことは、Demiseデミスの種類もわかるのか?』

【それがですね……。わからないんです……】

『なんだって!?』

【レイヤー0の天気が影響しているのか、原因はよくわかってないんです。なにかもやがかかっているような感じで、姿がハッキリと見えないんです】

【オイラもエンジも、こんなこと初めてなんスよ】

『そうなのか……』

【下手したら、ぶっつけ本番ってこともあり得るかもな】

『そのときは、俺たちが頑張りましょう……!』


 イツキさんと目を合わせてうなずいた。

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