最終話 9月1日。

 9月1日……


 今日は久しぶりに早起き。長いと思っていた夏休みも終わった。しかし、セミの騒がしい鳴き声はまだまだ終わりそうにない。そして、窓を開けると入ってくる蒸し暑い空気も相変わらずだ。


 俺は着替えると、カバンを背負い外に出た。歩き慣れた道を、いつものように歩いていく。駅が見えてきた。


 向日葵ヶ丘ひまわりがおか駅。


 いつものように人が多い。俺は改札を通り、階段を上がる。ホームに辿り着いた。通勤ラッシュから、少し外れた時間なので、あまり人は多くない。スマートフォンが震える。ショーマからだ。簡単に返信を終えると、スマートフォンをポケットにしまい、電車に乗った。


 時間は午前10時5分。授業には間に合いそうだ。


 時間は進んでいく。

 誰がなんと言おうが、俺が拒もうが、”時”は止まらない。


 俺たちの日常は様々なモノを混ぜ合わせた奇跡の上に成り立っている。


 誰にも想像ができない遠い未来に向かって、”時”は進み続けるんだ。


 俺は電車に揺られながら、目をつぶった。






―――――――八月を突破せよ―――――――


―――――――――END――――――――――

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八月を突破せよ 天神シズク @shizuku_amagami

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