第196話 言葉。

【みんな、もうすぐで24時だ。オレの身体はまだ全快はしていないが、危ないと判断したらオレも戦いに加わる。前にも言ったが、全員、必ず生きることを最優先してくれ。そして戻ろう。正しい世界へ……!】

『はい!!』【はい!!】


 ジュウザブロウさんの言葉により、さらに結束力が高まった。


【エンジ、ハルヒ。Demiseデミスの反応はどうだ?】

【はい。先程まで5体分の反応があったのですが、1体に減っています】

【1体で十分ってことか? ナメやがって……!】


 グレンは苛立いらだっていた。


【まぁ、落ち着け。こっちにとってはチャンスでもある。1体でも少なくできれば、今後こちらが有利になる】


 ジュウザブロウさんは冷静に言った。


【確かにそうや。確実に、着実に、勝っていこうや】


 俺たちが話している間にも、時間は進んでいった。


 そして、24時を迎えた。


『……来た!』


 駅前の時計を壊しながらDemiseが出現した。


〈やぁ、こんばんは。調子はいかがかな?〉

【まぁ、ぼちぼちってとこだ。親御おやごさんも同伴どうはんか?】

〈ふふっ。ちゃんと挨拶できるか不安でね。”フトゥーロ”、挨拶してごらん〉

〈…ァ…ッ…〉


 何か言葉を発しようとしているみたいだ。


〈ヨロしく……センシたちヨ……〉

しゃべらせるのは難しいようだな】

〈そうだな。君たちの誰か1人でも食べさせてもらったら上手になるかもしれないねぇ〉


 デゼスプワールは不気味に笑う。


【喋りやったら、俺が教えたろか?】

【リオン、ずりぃぞ。オレも体を動かし足りねぇんだ】


 リオンさんとグレンが前に出た。


〈あらあら、優しい人たちだね。じゃあ、”フトゥーロ”をよろしく頼むよ〉

【お前は戦わないのか?】

〈あぁ。今回は”フトゥーロ”に任せるよ〉

【後悔しても知らねぇぞ?】

〈終焉まで、ゆっくり楽しもうじゃないか〉


 デゼスプワールは笑いながら消えていった。


【グレン。俺と2人でやろうや。こいつは強いやっちゃで】

【しゃあねぇな……。みんな、こいつはオレとリオンのもんだ。邪魔しないでくれよな】


 リオンさんとグレンは戦闘態勢に入った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る