第119話 襲来する日。

 長居した店を出ると、次はショッピングモール内のゲームセンターへ行った。ゲームに興じ、夜になるとラーメン屋『らーめん異次元ディーディメンション』でご飯を食べた。


『いつ食べてもここのラーメンは美味しいなぁ』

「あぁ、全くだ。今月ももう終わるし、夏のラーメンは食べ納めってとこか」


 今、”今月ももう終わる”って言ったか……?


 急いでスマートフォンを取り出し、日付を確認する。


「どうしたんだよ、急に慌てて」

『ショーマ。今月って何日までだ?』

「まーたその質問かよ。164日までだろ?」


 スマートフォンのカレンダーは8月164日までになっていた。


『そう……だよな。ありがとう、ショーマ』


 残りのラーメンを一気に食べた。食べ終わるとすぐに外に出た。追いかけるように、ショーマもついてきた。


「どうしたんだ、ヒカル?」

『いや、なんでもないんだ。今日も楽しかったよ。また飯行こうな』

「あぁ、レンも連れて美味しいとこに行こう。オレも楽しかったぜ」


 手を振り、ショーマと別れた。すぐさまアスカに連絡をした。


『今月は164日までみたいだ。さっき友達から聞いた』

「わかったわ。連絡ありがとう」


 簡潔なやり取りを終える頃には家に着いていた。部屋に入り、お茶を1杯飲む。深呼吸をし、心を落ち着かせる。


『すぅ……はぁ……』


 だいぶ落ち着いてきた。


 6日後にDemiseデミスが来る。


 体が震えた。この震えは恐怖からなのか、武者震いなのか自分でもわからなかった。風呂に入り、冷たいシャワーを浴び、頭を冷やす。


『Demise……絶対に止めてやる……』


 次の戦いを見据え、覚悟を決める。風呂から上がり、ベッドへ飛び込む。たかぶる感情を抑え、充足感に包まれながら、俺は眠った。

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