第151話 創造主。

 俺は唖然あぜんとしていた。


【いってぇ……くっそ……なんなんだよ……】


 服についた汚れをはらいながら、グレンはのそのそと起き上がった。唖然とする俺に近づき、状況を確認したグレンは、俺と同じように言葉を失っていた。


 どれほど時間が経っただろうか。体感では、数時間が経過したように思えた。


【と、とにかくベースに戻ろう。まだミチヤがいるはずだ】


 こんなに焦っているグレンを見るのは初めてだった。俺はうなずくと、ベースへと向かった。


 幸運なことに、ベースにはまだミチヤがいてくれた。


『ミ、ミチヤ。あのさ……これ、なんだけど……』

【すまん、オレの攻撃のせいで……】


 真ん中から2つに折れたシャルを見せる。ミチヤは驚きの表情を浮かべていた。その顔を見て、俺とグレンの罪悪感は増していった。ミチヤの表情はみるみるうちに変わっていった。それは怒りや哀しみではなく、喜んでいるように見えた。


【やーーっと見つけてくれたんだね!】


 俺の頭は”?”でいっぱいだった。おそらく、グレンも同じ気持ちだろう。


『ミチヤ、どういうことだ……?』

【このシャルル・ダグザを渡した時に、隠し機能があるって話をしたんだけど、覚えてないかな……?】


 俺は必死に頭を回転させ、記憶を手繰り寄せた。


【その子には隠し機能もあるから、探してみてね】


『あっ!』


 思い出した。確かに言っていた。


【思い出したみたいだね。その隠し機能が、これ】

『これって……?』

【シャルル・ダグザは半分に分けることができるんだ。本来は、接合部分を集功シュウコウによって分断させるのが理想だったんだけど、まさかグレンさんの攻撃によって分断されるとは……。正直、想定外でした】


 俺とグレンは再び唖然としていた。


【これを……ほら、こうしたら元通り! で、もう一度こうすれば……】


 ミチヤがお手本のようにシャルの分断と接合を見せてくれた。シャルを受け取り、自分でもやってみる。


『うわ……本当だ……』


 俺は驚きのあまり、分断と接合を繰り返していた。

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