第2話 駅前にて。

 駅前まで来た。夏休みのせいか、若い人で溢れかえっている。


 コンビニで飲み物を買って、飲みながら歩いていると、スマートフォンが震えた。友人のショーマからだ。


「よう! 今日も暇してるか?」

『あぁ、今はあてもなく歩き回ってるところだ』

「おー、鬼のような暇人がやることをしているじゃないかー!」

『そうだ、暇の神様とは俺のことだ』


 そうだ、ショーマに日付のことを聞いてみよう。


『そういえば、今日って何日だっけ?』

「今日はー……136日じゃなかったっけ?」


 ショーマも同じこと言うのか……。

 続けて質問してみた。


『じゃあ、今月って何日までだっけ?』

「なんだいさっきから」

『いいから、答えてくれ』

「心理テストかなんかか? まぁいいや。”?托シ包シ日”だろ」

『え? 何日だって?』

「”?托シ包シ日”だって!」


 全く聞き取れなかった。とにかく早く会って、他にも聞いてみることにしよう。


『ありがとう。今、向日葵ヶ丘ひまわりがおか駅の近くにいるから、駅前のカフェにでも入って待ってるぞ』

「オッケー。”オリオンカフェ”だよな? すぐ行く」


 俺は電話を切って、店に向かった。

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