第211話 長髪。

―――B班


 ウィンクルムの持つ長髪の動きに警戒をしていた。


【みなさん、そいつの”コア”は後頭部にあります!】

『なるほど……。あの長髪”コア”を守ってるってとこか……』


 しばらくにらみ合いが続いたが、先に攻撃を仕掛けたのはウィンクルムだった。素手での攻撃。特別速い訳でもなく、威力もなさそうだ。俺はそれをかわしながら、打撃を与える。一発、二発と連続で素早く攻撃をし、三発目を放ったときだった。ウィンクルムの長髪がシャルに巻き付き、俺を引っ張った。


『うぉっ!?』


 シャルを手放すわけにはいかない。シャルを短くし、ウィンクルムに近づいた。蹴りを入れ、その反動で距離を取ろうとした。しかし、俺が蹴ろうとした瞬間、巻き付いた長髪と別の長髪が束となり盾を形成した。俺の蹴りはまるっきり歯が立たず、俺だけが弾き飛ばされた。


『くっ……! シャルが!』


 俺の横をイツキさんが走って行った。シャルを絡め取った髪を一刀両断した。落ちてきたシャルを手にしたイツキさんは俺にシャルを投げ返してくれた。


【ほら、行くぞ】

『……ありがとうございます!』

【おそらくウィンクルムの主力はあの長髪ね】

【あぁ、そうだろうな。長髪の動きに特に注意するんだ】

『はい!』


 武器を構え、再びウィンクルムへと立ち向かった。

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