第18話 アマテラス。
【〈
思考が停止していた。俺が目を泳がせて沈黙していると、様子を見ていた女の子は続けて言う。
【すぐに全部を理解してもらえるなんて期待してないから安心して。とりあえず、明後日の8月140日の24時にこの部屋に迎えに来るわ。実際に見てもらったほうが理解できると思うし】
何も言えない俺にそう言うと部屋から出ていった。
嵐が突然やってきて、猛烈な勢いで過ぎ去っていった。そんな時間だった。俺が一息ついていると、再びドアが開いた。
【あっ、ごめん! 名前言ってなかったよね? ワタシはアスカ。
女の子は名前を言うと、再び姿を消した。今度こそ、本当に静かな夜が戻ってきた。そして、ドッと疲れが出てきた。ベッドに横たわり、さっき聞いた単語を頭に巡らせてみる。
〈終焉の執行者〉。
……正体不明の敵。
天照栖アスカ。
……正体不明の女の子。
一緒に戦う。
……8月を終わらせないため。
……8月を終わらせるため。
考えたところでわかるわけもない。初めて聞くことだらけで、ヒントも何もないんだから。とにかく8月140日を待つことにしよう。俺は仰向けになると、すぐに眠りについた。
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