第140話 30分間。
23時30分……
ジュウザブロウさんから、改めて担当者とコアについて知らされた。
俺の担当は『異形型B』で”コア”の場所は『尻尾』だ。
頭に叩き込む。エンジからは出現予測位置について発表があった。これはあくまで大体の位置なので、すぐに駆けつけることができそうな位置に待機する。俺の場所はベースから離れていないので、リオンさんの姿が見えた。
23時45分……
各自持ち場へと着いたようだ。再度、ストレッチを行う。リオンさんの方を見ると、簡単なスケッチをしているようだった。あぁやって、自分の好きなことをした方がリラックスできるのだろうか。
『今度は壁当て用に軟式ボールでも持ってくるか……』
23時55分……
シャルで靴を軽く叩き、靴底の土や砂を落とす。あまり効果があるようには思えないが、念には念を入れておく。空を見え上げるが、特に変わった様子はない。静かだ。
23時59分……
【ヒカルー! 気ぃつけぇやぁ!】
遠くからリオンさんが声をかけてくれた。俺は大きく手を振って応えた。シャルを握りしめる。
24時……
空気が重く、張り詰めている。この異様な重圧感。ヤツらが、来る。
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