第221話 推し測る。

―――ジュウザブロウ


 高い天井。

 バスケットゴール。

 木彫りの校歌額こうかがく

 ステージと緞帳どんちょう


 少し広めだが、一般的な学校の体育館だ。大きく穴の開いた壁からスペランツァが入ってきた。


【ここがオレの墓場って言いたいのか?】


 幸いなことに、ここに来るまでのダメージは少ない。戦うのには問題はない。地面を踏みしめ、スペランツァと対峙する。スペランツァの頭部には目や鼻や口があるようだが、変化は全くない。ただの模様のような感じだ。


【フトゥーロのように言葉を発したりはしないのか?】


 問いかけて見るが、頭を揺らすことしかしなかった。オレの質問を理解しての反応でもないように思える。両肩にある突起物。アレがスペランツァの武器の1つだろうか。相手を観察し、戦いをイメージする。

 体育館に入ってから、静かだったスペランツァが動き出した。拳を左右に振り回す。見た目と違って、攻撃速度は速い。だが、避けられない程ではない。次は防御力でも確認させてもらうか。

 拳をくぐり、左側、脇の下あたりにもぐり込む。


【ウォラァッ!!】


 オレの一撃はスペランツァの胴体に突き刺さった。

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