第248話 戦死者の館。

 レンのあとをついていくこと10分。


「今日のお店はここです!」

『ここって……』

「ファミレス……?」


 目の前には眩しいほど明るい光を放つ、新しめのファミリーレストランがあった。


「違う違う! となり!」

「となり……?」


 冷静に考えると、レンがファミレスを選ぶとは思えない。ファミレスの左隣の店に目を向ける。


『”遥原精肉店はるはらせいにくてん”……?』

「お肉屋さんか?」


 俺とショーマはいまいちピンときていなかった。


「そう、お肉屋さん。ここはね、昼間はお肉屋さん、夜はお肉専門の食事処しょくじどころになるんだ」

『えー!? そうなのか!? 全然わからないよな?』

「うんうん。お肉屋さんにしか見えない……」

「あそこに地下に降りる階段があるんだよ。ちなみに食事処の名前は”ヴァルハラ”っていうんだ」

「おっ、ほんとだ」

『もう入れるのか?』

「18時30分からだから……。もうちょっと待つ感じかな」

『わかった。あと10分だから、ここで待つか』


 ”ヴァルハラ”が開店するまで、俺たちはしばし待つことにした。

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