第190話 逆に新鮮な光景。

 駅前に着いた。レイヤー0の駅前は久しぶりのような感覚だ。大勢の人が行き交う光景は逆に新鮮だ。スマートフォンを取り出し、時間を確認する。


『ちょっと早く着きすぎたかな』


 駅前をブラつきながら、時間が過ぎるのを待った。

 ”らーめん異次元ディーディメンション”は今日も混雑している。新作の”四次元とんこつらーめん”は気になるところだ。今度食べに来よう。

 ”たかまがはら書店”は相変わらずマニアックな品揃えだ。”月刊フライングディスク”なんて、この近辺で売れるのだろうか。いつもの店を一通り回ったところで、丁度いい時間になっていたので駅前へと戻った。


「よう、ヒカル!」

「ヒカルくーん」


 2人は既に待っていた。


『悪い。ちょっとブラついてたんだ』

「別に大丈夫だよ!」


 レンがそう言うと、ショーマもうなずいていた。


「今日行くところは、レンもまだ行ってないかもしれないところだ」

「え!? どこどこ!?」


 レンが目を輝かせている。


『レンがまだ行っていない店だって? よくもまぁ、ショーマがそんなところを知ってるな?』

「ふっふっふ」


 ショーマが不気味に笑う。


「2人は辛いものは大丈夫か?」

『あぁ。俺は割と好きだぞ』

「ボクも好きだよ! スンドゥブとかいいよねぇ。美味しいとこあるから、今度行こうよ」

「お、スンドゥブいいねぇ。次回を楽しみにしておこう。2人とも辛いのが大丈夫そうでよかったよ。早速案内するから、ついて来てくれ」


 駅前から数分歩くと店に着いた。


「今日の食事はここ! ”香味辛々こうみしんしん”! 激辛専門店だ!」

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