第259話 8月最後の日。

 8月200日……


 目が覚めた。自分でも驚くほど落ち着いている。


 昼。


 昨日、皿に移した料理を温めて食べる。美味しい。あっという間に平らげた。テレビを点けると、今日が8月の最終日という話題になっていた。夏の振り返りやら、秋服の話やら。正直どうでもいいことだが、なんとなく目に映していた。


 夜。


 外はもう暗い。駅前まで歩いてみた。女の子が会話している。


「夏休みももう終わりじゃーん」

「ベリ早、ベリ早ぁ」


 いつか見たたちだ。


『今日は夜更かしするなよ。夜更かしガールズ』


 心の中でそう告げると、家へと戻った。


『そろそろ行くか……』


 レイヤースペースに移動し、ベースに向かう。ほとんどのメンバーが揃っていた。挨拶をし、シャルを手に取る。


『最後まで頼むぞ、シャル』


 相棒に声をかけ、強く握りしめる。

 ふとベースの壁に目を向けると、絵が飾ってあった。


『この絵は……』

【ええやろ? それ】


 後ろから声がした。


『やっぱりリオンさんの絵だったんですね。前に話したときに描いてたやつですよね?』

【そうやで。今までで1番の出来かもしれへんな】

『なんだか魂を感じますよ』

【やっぱヒカルはわかってるなぁ! 一緒に画家やろうや!】

『考えときますよ』

【良い返事期待してるで】


 時間は否応いやおうなしに進む。


 23時過ぎ、全員が揃った。


【みんな、今までよく戦ってくれた。デゼスプワールが言っていた通り、今日が最後の戦いになるだろう。みんなには感謝しかない。オレなんかについてきてくれて、本当にありがとう】

【こっちも感謝しかないやろ】

【リオンの言う通りだぞ、ザブロウ】

【お前ら、泣かせるようなこと言うなよな】


 みんな笑っていた。本当に最後とは思えない。そんな雰囲気だった。ジュウザブロウさんの話が終わると、それぞれ準備運動を始めた。


 最後の戦いが始まる。

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