第120話 感じる物足りなさ。

 8月159日……


 目覚めると、真っ先にレイヤー2へと向かった。ベースへ向かうとジュウザブロウさんがいた。


『ジュウザブロウさん、おはようございます』

【おぉ、ヒカル。おはよう。今日はまた一段と早いな】

『次の戦いの日がわかったので、体を動かしたくて』

【ヒカルはもう知ってたのか】

『はい。昨日、友人と話していたときに偶然わかったんですよ』

【そうか。あとでみんなにアスカから連絡してもらう予定だったが、ヒカルは除外してもらおう。ヒカル、次も頼むぞ】

『任せてください。絶対に負けません!』


 ジュウザブロウさんとの会話を終え、ストレッチをした。いつになくジュウザブロウさんは気を張っているようだった。邪魔にならないようにそそくさとその場から離れた。一通り練習メニューを終わらせた俺はベースへと戻った。ベースには数人の人影が見えた。


【あっ、ヒカルさん。お久しぶりです】

【ヒカルさん、こんにちわー】


 人影の正体は、エンジとハルヒだった。


『おぉ、久しぶり。2人はまた調査か?』

【はい。ジュウザブロウさんに呼ばれて、Demiseデミスの反応を確認しているんです】

【次の戦いの日がわかったんですって。あっ、エンジ。あっちと……あのビルのあたり怪しそうだ】

【本当だ。この感じだと、次は2体ってとこかな……】

『もうそんなことまでわかるのか』

【そうなんですよ。直前になればDemiseの分類もわかるんですが……。今はまだわからないですね】


 伊達だてに情報解析班を名乗っていないな。次は2体か……。”物足りない”と思ってしまうのは、不謹慎だろうか。

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