第262話 無効。

【そんな……】

【おいおい、マジかよ……】

【ジュウザブロウさんのあの攻撃でも、ダメージがないなんて……】


 全員が絶望を感じていた。


『みんな! まだ何かできる可能性はある! できることを試すんだ!』


 俺はその空気をはらけるように言った。俺は走ってラヴに近づき、突き攻撃を放つ。


【ヒカル!】

『俺がやります!』


 突き、打撃、集功シュウコウによる爆破攻撃。あらゆる手段を使ってラヴを攻撃する。


『はぁ……はぁ……くっそぉ!!』


 攻撃をすればするほど、絶望感は膨れ上がる。


【ヒカル、俺たちにもやらせてもらうぞ!】


 イツキさん、リオンさん、ジン、アスカが前線へと出てきた。俺は下がり、戦闘の行く末を見る。


【ヒカル、どうだ……?】

『アイツ、なんなんですかね……。倒せる気がしないですよ……』


 相変わらずデゼスプワールは余裕そうに戦いを見守っている。ヤツが何かをサポートしているとも思えない。全員が一通り攻撃を試し終わった。効果のある攻撃は1つも無かった。


【全部の攻撃に対して耐性があるんちゃうかアイツは……】

【そんなの反則すぎじゃないですか】

【きっと、何か弱点あるはずよ】

【あぁ、メリットばかりじゃないはずだ。ただ、そのデメリットを見つける前にやられなければいいんだけどな……】


 どうすればいいんだ。ヤツの弱点はどこだ。


〈もうそろそろいいかな?〉


 デゼスプワールが口を開いた。その言葉は全員を戦慄せんりつさせた。


〈ラヴ、始めるんだ〉


 ラヴは行動を始めた。

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