第263話 行動開始。

 ラヴはゆっくりと歩き出した。


【オレが足止めする! エンジ、ハルヒ! 何かわかったらみんなに伝えてくれ!】


 そう言い残すと、ジュウザブロウさんはラヴへと立ち向かった。エンジとハルヒは必死に分析をする。


【俺もジュウザブロウさんの手伝いしてくるわ。頼むで、みんな】


 リオンさんも飛び出した。


『くそっ……! 俺は何もできないのか……!』


 俺は悔しさをぶつけることもできず、ただただ歯を食いしばっていた。ラヴはさっきと変わらず攻撃を受け続ける。ジュウザブロウさんの打撃が、ラヴの頭部へと叩き込まれていた。ラヴは頭部にめり込んだ腕を掴むと、軽々とジュウザブロウさんを投げ飛ばした。


『ジュウザブロウさん!』


 ジュウザブロウさんは大きな音を立てながら駅の方へと消えていった。飛んでいくジュウザブロウさんには目もくれず、ラヴはリオンさんの腹部に打撃を加えた。


【がはっ……!】


 リオンさんはジュウザブロウさんとは逆方向に吹っ飛ばされた。一瞬にして、2人はやられた。

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