八月を突破せよ

第264話 攻略の糸口はどこにある。

　ラヴは迷いなく歩いてくる。

【サポート班は下がるのよ】

　アスカにそう言われ、5人は下がった。

【私とカイユウくんは2人の治療に行きます！】

【気をつけて行ってくれ】

　2人はそれぞれ走って行った。

【僕がアイツの注意を引きます……！】

　ジンが2人の安全を確保するためにラヴの元へと走った。ジンの攻撃に対し、右手を盾のような形に変形させ防御している。もちろん斬撃の効果はなく、受け流されていった。

『エンジ、ハルヒ。なにかわかったか？』

【すみません、それがなんとも……】

【とりあえず、”コア”は頭部にあるっぽいっスね】

【頭部か……。だが、”コア”を破壊できるような攻撃がな……】

【攻略の糸口がさっぱりわからないわね】

　もしかしたら、本当に全ての攻撃が効かないDemise（デミス）なのかもしれない。デゼスプワールなら、もしかしたらそんなDemiseを創り出すことが可能なのかもしれない。

　それが本当の”完成型”ってことなのだろうか。

　それなら今まで”完成型”を創らなかった理由は？

　”創らなかった”ではなく”創れなかった”？

　それ相応の時間や労力がかかっただけなのか？

　俺が考えを巡らせてる間にも、ジンは上手いことラヴからの攻撃を回避しながら戦ってくれている。

【ワタシもジンくんをサポートしに行くわ】

　アスカが飛び出した。

【クソッ！　オレたちゃ見てるだけかよ！】

【グレン、落ち着け。戦う方法が分かったときに戦える者がいなかったらどうしようもないだろう】

【畜生（ちくしょう）……ッ！】

　グレンはイラだっていた。

【グレン、ヒカル。1つ試したいことがある。ここは頼んだぞ】

『イツキさん！』

　イツキさんはラヴに向かって走り出した。