第251話 二日酔い。

 8月196日……


 起きると床の上だった。


『いっててて……』


 昨日、ワインを飲んだせいで二日酔いだ。さらに床で寝ていたせいで体が痛い。レイヤースペースでの痛みとはまた違う。なんとか立ち上がり、ベッドで横になる。スマートフォンを手に取ると、SONICソニックの通知が来ていた。2人からだった。「いってきます」という旨のメッセージだ。頭痛を我慢しながら返信する。


『帰って来たら、またご飯食べに行こう』


 そんなことを含めたメッセージを2人に送信した。返信を終えると、力を抜き、大の字になった。しばし天井を見ていた。


 二日酔いにはスポーツドリンクが効く。


 そんなことを思い出した俺は冷蔵庫へと向かい、スポーツドリンクを一気に飲んだ。


『……っぷはぁー』


 ヨロヨロとベッドへと帰還し、横になった。目をつぶり、体を休ませる。頭がズキズキと痛む。ゆっくりと呼吸をする。


 …


 目を開いた。気づいたら少し寝てしまっていたようだ。二日酔いもだいぶマシになっている。再びスポーツドリンクを飲み、一息つく。家に残っていた食パンを頬張ほおばりながら、テレビを眺めていた。


『あと5日……』


 テレビの中では、カウントダウンするかのように終わりの日までの日にちを数えている。何も知らずに笑う人たちが映っていた。


『俺たちが守るんだ。そして、戻るんだ』


 静かに闘志を燃やしていた。

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