第282話 脳天粉砕。

『ふぅ……』


 根本まで行くと、攻撃の激しさは収まった。見下ろすと、みんなが戦っているのが見える。


『よし……』


 俺は見上げ、頭頂部を目指すことにした。横にある腕たちは、不気味なほど静かだ。まるで俺が登っていくのを見守っているようにも思える。頭頂部までは、難なく登ることが出来た。


『スゥー……。はぁ……』


 深呼吸をし、両手でシャルを握り締める。上に持ち上げ、全力でデゼスプワールの脳天にシャルを突き立てた。


『おらァァァァッ!!』


 デゼスプワールの頭頂部は砕けた。それはあまりにも簡単で、拍子抜けするほどだった。頭頂部には大きな穴ができた。それはまるで落とし穴のようだった。力強くシャルを突き立てた俺は、勢いそのままに穴へと落ちていった。

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