第200話 見たことのない。
フトゥーロの巨大な口が、リオンさんのいた周辺を丸ごと包み込んだ。俺の位置からだと、リオンさんの安否はわからない。フトゥーロが顔を上げ、
【グ、グレン。ありがとう。突っ込んで来てくれへんかったら、今頃あの口の中やったわ】
【ふぅ。少し休ませてもらったからな。だいぶ動けるようになってきた】
グレンは肩を回しながら、フトゥーロに狙いを定める。
〈ン…ん…〉
【食事中のところすまねぇが、今度こそやらせてもらうぜ】
グレンは剣を突きつけた。
〈ヤル…くう…〉
再び巨大化した頭部がグレンを狙った。
【それはなぁ、もう見たことあるんだよ!】
グレンがフトゥーロの脚を切断すると、フトゥーロはバランスが崩した。しかし、脚はすぐに再生し、倒れる寸前で持ち
〈みたコトアル…ミタことナイ……〉
フトゥーロはそう
〈ミタことナイ……。デェェェェェ!!〉
猛烈な勢いでフトゥーロは走り出した。
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