第220話 状況確認。

―――ジュウザブロウ


 どれだけ時間が経ったのだろうか。スピードが落ちる気配はない。顔を動かし、状況を整理する。


 この巨体。

 面長の顔。

 間違いなく”スペランツァ”だろう。


 先日のデゼスプワールとのやり取りで、オレがリーダーであると判断したのだろうか。そうだとして、オレを連れ去る目的はなんだ。


 オレを引き離すことで、チームを崩そうとしている?


 それならば、Demiseデミスの思惑はハズレだ。そんなことで崩れるようなやわな奴らではないから、その辺りは心配の必要はないだろう。


 戦力の分散が目的か?


 それなら、オレ以外にも連れ去るか、あの場で一気に攻撃をしてしまえばもっと効果的だっただろう。デゼスプワールには、自分の力を思い知らせようとするふしがある。オレたちに絶望を与え、世界の終焉を見届けさせるってとこか。いろいろと考えてみたが、やるべきことは1つ。


 Demiseを倒す。

 それだけだ。


 少しスピードが緩まったかと思うと、体を鷲掴わしづかみにされ、放り投げられた。


【なっ……。ここは……?】


 地面に手をつき、倒れた体を起こす。周りを見渡した。


【ここは……体育館……?】

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