第92話 重い口。

 レンは目を輝かせながら、胸を叩いてこう言った。


「まかせて! 今日もとびっきり美味しいとこ連れて行ってあげるから!」


 レンは先頭を切って歩いていく。俺たちも後ろに続いて歩く。歩いて数分、店の前に着いた。


「今日のお店はここになりまーす!」


 駅から近いが、静かな場所にあるお店だ。レンの食に関するアンテナには、毎度感心させられる。

 レンのブログやSephirotセフィロトでの発言は影響力があり、紹介されたお店が繁盛することはよくあることだ。ここはまだ紹介していない、秘密の店らしい。早速入ってみる。


 店内は落ち着いた雰囲気で、居心地も良さそう。レンのおすすめを注文すると、レンは打って変わって重い表情をした。


『レン、どうした? 何かあったか?』

「うん……。2人だけにちょっと相談したくて……」

「なんだ? 言ってみな」


 レンは重い口を開いた。

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