第215話 疾風怒濤。

―――B班


『アスカは下がって、引き続き後方からの射撃を頼む!』

【わかったわ!】


 アスカを下がらせ、ウィンクルムの前に立ち塞がる。シャルの先端に集功シュウコウほどこす。俺を無視してアスカを追いかけようとするウィンクルムに突きを放つ。爆発を伴う突きを喰らったウィンクルムは標的を再び変更した。俺に狙いを定めているようだ。


『痛かったかい? おかわりもあるぜッ!』


 怒りをあらわにし、長髪を増殖させて俺を威嚇いかくしている。長髪を鎖のように変形させ、俺を捕えようとしてきた。それらを避けつつ、シャルを円を描くように回し、長髪を絡め取る。ひとまとめにしたところでシャルを分断させた。1本はそのままに、もう1本だけでふところへともぐり込む。


『おかわりの時間だッ!』


 胴体に再び突きを放つ。爆発とともにウィンクルムはよろめく。同じタイミングでアスカの射撃がウィンクルムの正面に放たれた。ウィンクルムはよろめきながらも即座に盾を形成し、間一髪防いだ。


『惜しいっ!』


 別方向から放燐ホウリンを利用した射撃が放たれた。しかし、それも盾で防がれた。


【ハルヒくん!?】


 射撃の主はハルヒだった。俺が状況の理解をしようとした次の瞬間、俺の顔の横に刃が現れた。

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