第132話 緊急生放送。

 8月160日……

 8月161日……


 この2日間は、先日のアスカとの戦いで疲弊ひへいした体を休ませてあげた。161日には、ショーマとレンとご飯を食べに行き、ゆったりとした休日を過ごした。レンはジンのことが解決して胸のつかえが取れたのか、いつもに増して元気そうだった。この前のグルメ遠征の話を聞きながら、夜はけていった。


 8月162日……


 スマートフォンの通知音で目が覚めた。寝ぼけまなこで通知を確認すると、それはアスカからだった。


【ヒカルくん、テレビ見てる? 見てなかったら、早く点けて!】


 鬼気迫るメッセージだ。


『なんだこりゃ……?』


 のそのそと起き上がり、あくびをしながらテレビを点ける。


「世界同時テロか!? 謎の爆発事故が世界中で連続発生!」


 俺は目を疑った。イタリア、インド、アメリカ、ロシア……。4カ国で爆発事故が連続して発生しているというニュースが報道されていた。他のチャンネルに変えても、緊急生放送と題し、予定を変更して爆発事故について報道していた。一瞬にして目が覚めた。急いでアスカに電話をかける。


『アスカ、なんだこれは!?』

【ワタシにも詳しくはわからないわ。でも、この様子を見ると、Demiseデミスが関係している可能性が高そうね】

『日付は変わっていないのか?』

【えぇ、そうなの。この4カ国分のDemiseが他の国に飛来するでしょう】

『日本には……?』

【まだ確認できてないの。今日中にジュウザブロウさんとエンジくん、ハルヒくんが確認してくれるはず】

『そうか……ありがとう。とりあえず俺はレイヤー2へ向かうとするよ』

【わかったわ】


 電話を切り、俺はレイヤー2へと向かった。

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