第278話 押して、押して、押す。

 ジュウザブロウさんの打撃。

 グレンとイツキさんの斬撃。

 アスカの射撃。

 俺の突き。


 全力でラヴへと浴びせる。耐性は相変わらずだが、攻撃による衝撃は防げないようだ。これはエンジとカイユウがダメージを与えてくれたからだろう。

 ジュウザブロウさんとアイコンタクトを取る。作戦を知っているのは、俺とグレンとジュウザブロウさんの3人だ。全員が知ってしまうと、勘づかれてしまう可能性があるため、俺たち3人で上手く誘導するしかない。ラヴに回復の隙を与えないように、こちらも休みなく攻撃を続ける。


 押して、押して、押しまくる。


 ラヴを住宅街へと押し込んだ。作戦の第一段階は完了した。次は指定された地点へと誘導させる。目的の場所は、もう少し先にある公園だ。グレンに目で合図する。左右へ揺さぶりながら、着実に公園へと近づける。ラヴも反撃を試みるが、こちらの手数の多さに体勢を整えることもままならないようだ。ジュウザブロウさんの正拳突きがラヴの胴体へと突き刺さる。ラヴは吹き飛んで公園の砂場に倒れこんだ。これで作戦の第二段階が完了した。


 あとは……。


 ラヴが2本の腕を前に出した。てのひらから突起物が出てくる。


『……きたっ!』


 目の前が真っ白になった。

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