第277話 絶望と希望の狭間で。

 カイユウが倒れ、エンジも倒された。さらにはエンジの武器も破壊された。


 俺たちの希望は絶たれた。


 いや、まだ手はある。オトハちゃんだ。……って、それは現実的ではない。目の前の出来事に俺は動けずにいた。どうする。どうすればいい。


【ヒカル、諦めるな! なにか方法があるはずだ……!】

『でも、どうすれば……』

【今はとにかく、足掻あがくしかない!】


 イツキさんはラヴへと突進した。俺たちへの攻撃に対する耐性は相変わらずだ。だが、ダメージが蓄積されたせいか、こちらの攻撃によるふらつきが多くなった気がする。


【イツキさん、ヒカルくん、ごめんなさい……。ワタシも加勢するわ】

『アスカ、助かるよ』


 アスカの射撃が加わった。


【すまねぇ、ちっと寝ちまってた。最悪の状況のようだな】

『グレン、大丈夫か? 状況は……その通りだな……』

【ヒカル、グレン。ちょっといいか?】

『ジュウザブロウさん!』

【なんだザブロウ。なにかいい手でも思いついたか?】

【あぁ、とっておきの最終兵器さ】


 そう言うとジュウザブロウさんは俺たちに耳打ちした。


【……ったく、そんなんあるんだったら早く言えっつーの】

【まぁまぁ、落ち着け】

『これを外したら、キツイですね』

【外させねぇよ。オレたちがそんなことさせねぇ】

【よし、行動開始だ……!】


 俺たちは希望を胸に走り出した。

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