第24話 手を繋いで。

 音を聞いたアスカの目が鋭く光った。


【来たわね……。ワタシたちも行くわよ】

『おう! ……ってどこに? どうやって!?』


 威勢よく返事したものの、何をするのか全然わかっていなかった。


【初めてだから、まずはワタシと手をつないで】

『!?』


 やばい、俺が女慣れしていないのがバレてしまう! しかし、当たり前のように手を握ったら女遊びをしているという印象を……。


【何をしてるの!? 早く!】


 俺がくだらないことで悩んでいるのを見抜いているかのようにアスカが叫んだ。慌てて俺はアスカの手を握った。


【じゃあ、目をつぶって】

『あぁ……』


 大人しく目を瞑る。しばらくすると、内臓が浮くような、下半身がヒュンっとするような、ゾクッとする感覚が身体を駆け抜けた。ものの10秒くらいだった。


【着いたわ。目を開いてもいいわよ】


 アスカがそう言うと、俺は恐る恐る目を開いた。

 目の前に広がった景色に、俺は驚愕した。

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