第72話 師。
あれが本気じゃないって……?
『そ、そうなんですか……。イツキさんは自主練習ってやつですか?』
【あぁ、軽くこいつを振っておこうと思ってな。3日に1回は使わないと、体が
そう言うと、イツキさんは巨大な剣を肩へと乗せた。
『で、でかっ……!?』
【だろ? ミチヤの魂が宿った一品だ。”タイタンズ・ブロー”……そう呼んでるんだ】
大剣を片手で軽く扱うイツキさんをジッと見ていた。
【じゃあ、僕はヒカルの邪魔にならなさそうなとこで振ってくるから。またね】
にこやかな顔で手を振りながら、猛スピードでどこかへ飛んで行った。周りに圧倒されることが多くて、
自分に気合を入れ、自主練習に励む。棒術について、スマートフォンで調べつつ、
『棒術ってのは、なかなか大変だな……』
ベースに戻って、休憩することにした。
【よぉ! ヒカルも休憩か?】
先にイツキさんが戻っていた。
『あっ、お疲れ様です。棒術って慣れなくて、ちょっと動いたら疲れちゃって……』
【なるほど、棒術か……。それだったら、僕でも役に立てそうだ。休憩が終わったら声をかけてくれ】
『え、それはどういうことですか?』
【実は、子供の頃に少しだけ棒術の道場に通ってたんだ。僕は体が弱くてね。親父の知り合いに、棒術の先生がいたらしくて、鍛えてもらっていたんだ。そのおかげか、今では健康そのものだよ。だから、棒術の基本的なことなら、教えてあげることができるかもしれない】
『そうなんですか!? では、後ほどお願いします!』
イツキさんは近くにあった鉄パイプを持って、先に外に出た。俺は汗を拭き、水分補給をすると、イツキさんを追うように外に出た。
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