第143話 決着を待つ者たち。
勝利の余韻に浸りながら、ベースへと戻った。
【ヒカル、早いな】
【俺が気合を入れてあげたからやんなぁ】
ジュウザブロウさんとリオンさんが出迎えてくれた。
『リオンさん、ありがとうございました! なんとか勝つことができました!』
ジュウザブロウさんが俺の頭を力強く撫でた。
【よくやった! すごいじゃないか!】
『い、痛いですって!』
俺たちは笑った。
【ヒカルさん、お疲れ様です。傷がないか、一応俺に診させてください】
【武器は僕に!】
『カイユウ、ミチヤ、ありがとう。お願いするよ』
そうしている間にジンが帰ってきた。
【お、ジンも早かったな】
ジンは会釈をすると近くのベンチに座った。
【ヒカルさん、ご協力ありがとうございます。特に問題はなさそうですね】
『そうか、ありがとう』
【次はジンさんのところに……】
カイユウはジンのところへと歩いて行った。
【エンジ。残りの様子はどうだ?】
【はい。イツキさんは未だ交戦中。激しめの戦いをしているようです。アスカさんも交戦中。空中を飛び回る相手に手を焼いているようです。グレンさんは帰還中です】
【そうか。交戦中の二人は応援が必要そうか?】
【いえ。お二人とも深いダメージを負っていないので、急ぐ必要はないかと】
【なるほど。ありがとう】
『手伝いに行かなくていいんですか?』
【向こうからアクションがあるか、こっちが戦闘の継続が困難と判断するまでは応援には行かないようにしている。彼らなら勝てると思っているからだよ】
『……それが仲間への信頼ってやつですね』
【よくわかってるじゃないか】
仲間の実力を信頼しているからこそ、すぐに手助けはしない。だから、俺たちは一人ひとりが強くいられる。”絆”という言葉が頭に浮かんだ。
【お疲れ様ー!】
グレンが帰ってきた。ジンの横にドカッと座る。ジンが少し距離を取るようにして座り直していた様子を俺は見逃さなかった。
『……ジンが苦手なタイプだよな』
小声で
【アスカさん、戦闘終了です】
【よーし、あとはイツキか……】
俺はいても立ってもいられず、イツキさんの姿が見えるところまで駆け上がった。
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